半導体 用語集

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用語集

半導体

電気を通さない「絶縁体」と電気を通す「導体」との中間的性質を持った物質。物質そのものよりも、半導体を用いて作られた ICやダイオード、トランジスタなどの部品を指して、半導体と呼ぶことが多いです。半導体の電圧や電流、温度、磁場などにより、電気の通り方が変わる性質を利用して、さまざまな電子部品が製造されています。半導体の原料となるシリコンなどは、純粋なままでは導通性が低いのですが、微量の不純物を混ぜることで、電気特性の異なるn型半導体とp型半導体を作ることができます。この2つの半導体を組み合わせることで、ダイオードやトランジスタ、ICなどを製造できます。コンピュータで使用されるCPUやメモリなどもn型半導体とp型半導体を組み合わせて作ったものです。

半導体は私たちの生活の基盤を作っているものだと言えるでしょう。特に、デジタル家電分野では常に高いレベルを切り開いています。携帯電話、薄型テレビ、DVDレコーダー、デジタルカメラなどの家電製品に大量の半導体が組み込まれ、次々と新しい機能が加わり、これまででは考えられなかったような新しい商品が生み出されているのです。

p型半導体

電荷を運ぶキャリアにホールと呼ばれる電子の欠落が使われる半導体です。内部では、結晶内に電子の欠落した部分ができ、あたかも正(positive)の電荷を持った粒子のように振舞うホールが生まれ、これが移動することによって電流が生じます。このとき正の電荷を持つホールが電気伝導を担うキャリアとなるため、p型半導体と呼ばれます。

n型半導体

電荷を運ぶキャリアに自由電子が使われる半導体です。内部では、結晶中に原子同士の結合に使われず余った自由電子が生まれ、これが移動することによって電流が生じます。このとき負(negative)の電荷を持つ電子が電気伝導を担うキャリアとなるので、n型半導体と呼ばれます。

トランジスタ

増幅機能を持った半導体素子。真空管に代わる電子素子としてさまざまな機器に組み込まれています。シリコンの板の上にトランジスタや抵抗などの素子をいくつも配置し、全体としてひとつの機能を持たせたものが集積回路(IC)です。

集積回路(IC)

トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を集めて基板の上に装着し、各種機能を持たせた電子回路。1959年に考案されて以来、現在ではさまざまな機器に組み込まれています。

LSI

集積回路(IC)の一種で、素子の集積度を高くした高密度集積回路のことです。ICの同義語として使われることもあります。

アナログ回路

アナログ電気信号を取り扱う電子回路のことです。デジタル回路に比べて単純な回路で実現できますが、雑音や温度変化に弱いです。

デジタル回路

複数かつ不連続な電圧レベルを取り扱う電子回路のことです。アナログ回路に比べて雑音の影響を受けにくく、信号処理が簡単です。

ADコンバータ

アナログ信号をデジタル信号に変換する電子回路のことです。ADC(Analog to Digital Converter)とも言います。

DAコンバータ

デジタル信号をアナログ信号に変換する電子回路のことです。DAC(Digital to Analog Converter)とも言います。

ASIC

特定用途に特化して設計された集積回路です。注文に合わせて複数機能の回路を1つにまとめて設計されます。

ASSP

アプリケーションを限定し、機能を特化させて設計したLSIのことを指します。顧客を限定せず、幅広い顧客に汎用品として提供できます。

CAD

Computer Aided Designの略で、建築物や工業製品の設計にコンピュータを利用して図形処理を行うことです。

CMOS

半導体の一種で、相補型金属酸化膜半導体とも言います。1つの半導体にn型とp型両方のMOSを使い、双方が補い合うように接続された集積回路です。

CPU

コンピュータの心臓部となる中心的な電子回路です。中央処理装置、中央演算処理装置とも言います。

DSP

特定の演算処理を高速で行えるデジタル信号処理専用の集積回路です。ソフトウェアを書き換えることによりさまざまな目的で利用されます。

EPROM

Erasable Programmable ROMの略で、半導体メモリの一種です。デバイスの利用者による書き込みや消去が可能なROMです。

FPGA

Field Programmable Gate Arrayの略で、製造後にユーザーが内部論理回路を定義・変更できるゲートアレイの一種です。

IP

Intellectual Propertyの略。元々は特許・実用新案などの知的財産・知的所有権の意味。近年、システムLSIなどでコアとなる機能回路ブロックを指す言葉として広く用いられている。IPはまたマクロ(セル)、メガセルなどとも呼ばれ、CPU(中央演算処理装置)、DSP(デジタル信号処理装置)などの高付加価値を有する機能回路ブロックを指すことが多い。

LCD

Liquid Crystal Displayの略で、液晶ディスプレイのことです。固体と液体の中間の物質である液晶を利用して画像を表示します。

LED

電流を流すと発光する半導体による発光素子で、発光ダイオードのことです。

MPU

主にコンピュータの演算機能を担う半導体チップのことです。

RAM

データの読み書きが随時可能な半導体メモリです。データの保存はあくまで一時的なものなので、ハードディスクなどの記憶媒体に保存しなければなりません。

ROM

データの読み出し専用の半導体記憶装置。記録してからは書き込みや書き換えができません。

RF

テレビ放送で使われている帯域の高周波信号のことです。

SOC

コンピュータの主要機能を1つの半導体チップ上に集積する集積回路の設計手法です。また、コンピュータの主要機能を搭載したチップのことです。

TTL

論理集積回路の一種でバイポーラトランジスタのみによって構成されたものを指します。

ECL

LSIなどを構成する回路素子の一種で、ECLで構成された回路は非常に高速に動作します。

オペアンプ

正式にはオペレーショナル・アンプリファイアと言います。非反転入力と反転入力、2つの入力端子への入力の差を増幅する機能を持つ電子回路モジュールのことです。

ゲートアレイ

汎用的な回路素子を基板上に配置しておき、注文を受けてから用途に応じて配線を行う集積回路の製造手法の一種です。

バイポーラ

双極性トランジスタを使う集積回路のことです。正の電荷と負の電荷の両方を使い、いずれか一方を使うMOSに比べ回路動作が高速です。

ライブラリ

プログラム言語において汎用性の高い機能モジュール群を切り出し、他のプログラムが引用できる状態にしてひとまとめにしたものです。

リニアIC

アナログ信号の増幅・発振・変調・演算などを行うアナログICで、入出カ関係が直線的なものを指します。

レイアウト設計

開発計画に基づいた機能を実現するため、IC内に各種の回路ブロックを配置し、それらを相互に配線することを指します。